コラム

英国はどこに向かうのか

Brexitがどういった結末を迎えるのかは市場にとって重要であり、注目すべき材料であることは事実でしょう。仮に『合意なき離脱』ということが起これば、英国の株式市場やポンドは急落する可能性もあります。現状でそういった動きが起こっていないのは、まだ『合意なき離脱』が現実的ではないという見方が強いからではないかとみています。

ジョンソン氏が英国首相となり、10月末の期限に向けて『合意なき離脱』も辞さず、といった態度で臨んでいます。しかし、議会からの反発は強まっており、しかも下院補欠選挙で野党が勝利するといった状況です。こうした流れを受けて『合意なき離脱』どころか『EU離脱』そのものが覆されるのではないかといった見方もないわけではありません。

しかし、EUから離脱すると決めたのは国民投票でのことであり、民意は離脱という前提は覆りません。もちろん国民投票は16年に行われたもので、現在はその意見が変化している可能性もありますが、ここまで進んでしまったことを英国の都合でひっくり返すというのはEUサイドからしても納得できないことでしょうし、もし仮に離脱しないということになればEUサイドから何らかの要求が出てくる可能性もあるでしょう。そうなった場合に英国は受け入れるのかといったところも問題となるのではないでしょうか。

個人的には英国は10月末に離脱するとみています。『合意なき離脱』となるのかは微妙なところであり、可能性は3割くらいは残っているのではないかと考えています。その意味で現状の楽観的と言いますか、そこまで『合意なき離脱』に備えているように見えにくい状況に懸念を抱いています。民主主義である以上、国民投票で表された民意に従った流れであり、そこに関しては特に驚くことではありません。ジョンソン首相は10月末まで時間はあるし、合意なき離脱の可能性は限りなく低いと述べていますが、実際にここまで時間がかかっていることも事実です。もちろん、うまく合意しての離脱といった可能性もありますが、あまり楽観的に見るべきではないと考えています。

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