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アナリストの活用法

『OPEC石油輸出国機構が増産に踏み切りましたが、石油価格はどうなったでしょう?』

この質問に皆さんはどう答えるでしょうか?産油国の増産は石油の供給が増加することを意味するので、価格が需給によって決定するのであれば石油価格は下落する、と考えるのが一般的ではないでしょうか。しかし、OPECが増産したにもかかわらず価格が上昇した場面がありました。その時の理由を今でも覚えています。
『OPECの増産余力が減少したから』

この話は私がセミナーなどでよくする話です。今までOPECが増産すれば石油価格は下落し、減産すれば上昇するのは常識でした。しかし、それは今後も常識であるとは必ずしも言えないということの一例として、非常にわかりやすいものだと思っています。この理由が事実であるかどうかは定かではありませんし、苦しい後付けのように思えなくもありません。しかし、実際問題としてOPECが増産したにもかかわらず価格は上昇したという事実があり、アナリストはそれに対してもっともらしい理由を話さなければならないわけです。で、こういったわかったようなわからないような材料が出てくるということになるわけです。

最近、アナリストの予想は絶対ではないといった感じのことを書いている人がいました。そして、予想の当たらないアナリストの存在意義について語っていました。これを書いていた人もアナリストの予想は絶対ではないということを述べていましたが、私からすればそれはごく当然のことです。仮にアナリストの予想がすべて当たるのであれば、ここまで多くのアナリストは不要ですし、テクニカル分析にしてもここまでたくさんの手法が生み出されることはないでしょう。当たらないからたくさんいる、というのが真実かと思います。

それでは、当たらないアナリストの存在は不要なのか、というとそういったことでもありません。当たらないアナリストがすべて不要ということになればそもそもアナリストはいなくなってしまうでしょう。それが一概に悪いことかと言われると難しいところであり、私はアナリストをやっているだけにそのあたりの判断をする立場にもないのですが・・・

しかし、『曲がり屋に向かえ』という相場格言があるように、当たらないアナリストにも価値があるとみなされるのが相場の世界です。アナリストが絶対当たるわけではないという考えさえ持っていたら、どのようなアナリストの考えであっても全く参考にならないということはまずないと考えています。人は多角的にものを考えているようで、なかなかうまくはいかないものです。その時に別の角度から相場を眺めようと思ったら、様々な人の意見を聞くというのは有効な手法ではないでしょうか。仮に相場が上昇すると判断した場合でも下落するといった意見を見ることで冷静になれるでしょうし、実際下落した際に対応が取れやすくなるでしょう。逆に上昇するといった意見に囚われてしまうと、下落した場合に「こんなはずはない、相場がおかしい」といった思いが強まり、対応が遅れる可能性もあるでしょう。

個人的に、選択肢が多くなりすぎると人間は決断ができなくなるといわれているため、アナリストの意見も多すぎると相場ができなくなると思っていますが、全く見ないで判断するというのも問題があるのではないかと考えています。自分の感覚にあっている人と、逆にあっていない人の意見を参考にするなどといったやり方も面白いかと思います。

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