それでは、今日のFXの戦略を考えてみましょう。
まず昨日の動きですが、米国株式市場は大きく下落しての引けとなっています。朝方は買い戻しの動きが強まり、ダウが一時520ドル高水準となりましたが、パウエルFRB議長がタカ派的な発言を繰り返したことや、米国で初のオミクロン株感染が確認されたことなどを受けてリスク回避的な動きが強まりました。ダウは引けに変えて下げ幅を拡大し、結局460ドル安となり安値圏での引けとなりました。高値から1000ドル近い下落となっており、先行きに対する警戒感が強まりました。また、米国債利回りはマイナス圏での引けとなり、30年債利回りが1月以来の水準にまで低下しています。一方、ドルは底堅い動きとなり、前営業日終値を挟んでの動きとなりました。コロナウィルスの感染拡大を背景に、ユーロなどに売り圧力が強まる展開となっています。また、円は株価の急落を受けて買われやすい地合いとなりました。ドル/円は113円を割り込んでの動きとなっています。
こうした動きを受けて、東京市場では日経平均株価が売られやすい地合いとなりそうです。昨日は持ち直したものの、ダウが大幅続落となっており、ドル/円も113円台を割り込んでの推移となっているだけに警戒感が強まります。朝方から軟調地合いとなって推移する可能性が高そうです。日中も上値の重さが意識されそうで、警戒感が高まります。ただ、米国のADP雇用統計は市場予想を上回っており、週末の雇用統計に対する期待感は根強いところです。様子見ムードも意識されそうで、日中は押し目買いに支えられる場面もありそうです。また、為替相場はドル/円が113円台を回復できるかに注目です。目先は112円台後半での動きですが、米国債利回りの低下やリスク回避的な動きが強まっていることを考えると、113円台回復は難しいのではないかとみています。