それでは、今日のFXの戦略を考えてみましょう。
まず昨日の動きですが、米国株式市場は大きく下落しての引けとなっています。朝方から上値の重い展開となっていましたが、パウエルFRB議長の議会証言でインフレの一過性という文言を撤回する時期にきているなどといったタカ派的な発言が意識され、リスク回避的な動きが強まりました。ダウは一時700ドル超の下落となり、結局650ドル安水準での引けとなっています。米国債利回りも一時上昇しましたが、米株の急落を眺めて長期債利回りを中心に下げ幅を拡大する展開となりました。2年債利回りと10年債利回りのスプレッドが大きく縮小する展開となっています。また、為替相場はドルに対する売り圧力が強まる一方、円に対する買い意欲が強まりました。ドル/円は113円台前半まで押し込まれましたが、113円は維持しての推移となっています。
こうした動きを受けて、東京市場では日経平均株価が売られやすい地合いとなるのではないでしょうか。米株の大幅下落やドル/円の軟調などを背景に、上値を抑えられやすい状況となりそうです。昨日の下落に対する調整や押し目買いも散見されそうですが、米国の早期利上げ観測の高まりなどを背景に、リスク回避的な動きが強まるのではないかとみています。また、為替相場はドル/円が113円台を維持できるかがまずはポイントとなりそうです。ドルインデックスの下落などを受けて上値の重さが意識されていますが、米国の金融政策の先行きに対する思惑からドルは底堅い動きとなる可能性は十分にあり、ドル/円も堅調地合いとなるのではないかとみています。